フロントランナー㉒ 木庭 民夫さん

2023-01-18

元テレビ局員が巻き起こす
山鹿からの新たな発信の形

木庭 民夫

板屋/熊本やまが映画プロジェクト/映画「骨なし灯籠」プロデューサー
熊本市出身。テレビ局(TOKYO MX、名古屋テレビ放送など)で約40年間、番組制作、編成、営業、経営などに携わる。2021年9月、山鹿にJターン。父の実家である築150年の古民家(豊前街道沿い)を再生。材木商だった時代の屋号「板屋」を復活させ、「映画」で町を活性化したいと活動中。

これまでのむらづくり活動は?

廃屋同然だった先祖の家を再生工事し、生活の基盤を創ることから、私の「むらづくり」は始まりました。「郷に入っては郷に従え」とは、よく言ったものです。子どもの頃、祖父母の家に遊びに来ていたものの、殆ど知り合いのいない「むら」(山鹿市)で、ご近所様への挨拶から始まり、人々と出会い、古(いにしえ)を辿りながら、「むら」の未来に想いを馳せる。還暦を過ぎて、新たな出会いにトキメク毎日。移住して来て1年、「自分は何者か」を自問自答する日々でした。これから、「むら」の一員として私に何が出来るのか。宮本武蔵も入ったという山鹿温泉に浸かりながら、一歩一歩、「むら」の皆さんのために活動していきたい、と考えているところです。日常的には、国指定重要文化財の芝居小屋「八千代座」(一般財団法人山鹿市地域振興公社)に勤務しています。

今後、取り組みたいことは?

テレビ局で培った経験や人脈を、過去に縛られることなく、新たな気持ちで「むらづくり」に繋げたい。具体的には、「映画」を柱にした「むら」の活性化にチャレンジしたいと考えています。具体的には、2022年夏、「骨なし灯籠」というタイトルの映画の撮影を敢行。脚本・監督は妻(倉本聰氏主宰の「富良野塾」出身)です。この映画を、全国のみならず、世界へ発信したい。このように、「むら」に根差したコンテンツを創り、人々が交流を図り、またそれを発信することによって、「むら」が活気づく。そんな、子どもから若者、熟年や後期高齢者を含めた、人々のコミュニケーションの輪が広がる「むら」を夢見ています。その先には、更に楽しいことが生まれてくるに違いない、と。

塾での学びが役立ったことは?

人は皆、生涯、限られた人にしか出会えない。そんな中で、この「熊本むらづくり」塾に参加出来たことにより、同じような野望を抱いた皆さんに巡り合えたことは、非常に有難かったです。キャリアも、これからやりたいことも、年齢も様々ですが、共通するのは、何かを成し遂げようとする、その真剣な眼差し。限られた時間ではありましたが、そのような皆さんと、議論できたことは意義深かったと思います。

Message ~これからむらづくり活動を考えている方へ~

一歩踏み出して、とにかくチャレンジしてみることが大事。失敗を恐れずに。「むらづくり活動」という意味では、私も今、第一歩を踏み出しただけの状況です。しかしながら、一歩踏み出すと、不思議なことに二歩目の世界が見えてきます。一般論としては、「むら」が少子化や過疎化で厳しい現状を抱えているのは事実。ですが、逆に、40年も都会の雑踏と情報過多の中で暮らしてきた私からすると、故郷「熊本」は「宝の山」です。空気も食べ物も美味しく、人情は豊か。一方、情報はインターネットなどで豊富に入ってきます。歳のせいもあるかとは思いますが、「むら」で暮らしていると、物事の本質が見えてきます。一歩引いた感じで、世の中を見ているからかもしれません。そして、そこに新たな「むらづくり」のヒントが隠されているような気がしてならないのです。

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板屋 木庭 民夫

tamiokoba0802@gmail.com 090-3478-8036