フロントランナー㉓ 木下 真弓さん

2023-01-23

天草の、島々の小さなタネを、
見つけて育ててお届けしたい。

木下 真弓

合同会社シマノタネ
地域情報センター、リクルート九州支社を経て、フリーのエディター&ライターに。2018年、合同会社シマノタネ設立。編集・執筆、衣食住の商品企画開発・販促、旅行サービス手配業等に携わる。百姓的な働きかたを目指し、地域のにない手と協働しながら、天草を次代へつなげる試みを実践中。

これまでのむらづくり活動は?

取材を通じて、熊本県内各地の風土やそれらをつなぐ人々に出会うたび、その土地の魅力に惹かれ、くまもと愛が高まりました。一方で、できあがったものを伝えるだけではなく、自らも主体的に関わりたい思いが募っていきました。ふるさと天草にフューチャーする!と決め、天草の西の端で「シマノタネ」を起業。子どもの学校の都合で住まいはまだ熊本市内ですが、行き来をしながら、事業者さんやプロジェクトのお手伝いや情報発信をしています。
天草諸島に関わりを持っていただく方の層を広げ、中山間地や沿岸部の営みの持続可能性を高めていけたらという思いから、椿の実の収穫や搾油体験、炭焼きイベント、世界遺産の集落を五感で愉しむ体験メニューの開発などを実施しています。

今後、取り組みたいことは?

私が拠点としている「天草諸島」は120ほどの島々からなり、海でつながる国内外の文化が息づくエリア。九州の10の一級河川をはじめたくさんの流域の皆さんの営みによって支えられている島々でもあります。熊本・長崎・鹿児島に囲まれた「島」だからこそ見えること、できることがある。そんな信念のもと、行政区にとらわれすぎず、ルート389や雲仙天草国立公園の文脈や、時間軸と空間軸も含めた関係性をつむぐ取り組みにも挑戦したいと思っています。

塾での学びが役立ったことは?

さまざまな講師陣の方にお越しいただく基礎講座では、地域資源や課題の見つけかた・磨き方などを概論的にわかりやすく教えていただきました。卒塾生の今なども含めて学べたことがとてもよかったです。
また、コーディネーター養成講座では黒川や高千穂など、条件の異なる地域におけるむらづくりの先進的な事例に触れる機会をいただきました。複数の関係者が同じビジョンを掲げ、面で取り組むことで、観光と環境と暮らしをつなぐ取り組みがはじまっていた黒川温泉に大きな刺激をいただきました。また、高千穂ムラ旅の現地実習では、宿泊施設や加工場のつくり、市街地との距離感など、往来の道中に見える風景も含めて体感できたことで、条件不利地域ともいわれる天草のフィールドでもできることがあると背中を押された気持ちになりました。地域商社的な機能やさまざまなコーディネートに携わる枌さんには現地実習にもご同行いただき、合間の質問やアドバイスなどを聞きながら、雰囲気だけでなくリアルな経済も意識した取り組みにしなければと身が引き締まる思いがしました。

Message ~これからむらづくり活動を考えている方へ~

本講座を通じて出会えた仲間や講師の皆様とは、「むらづくり」という共通意識があることで、分かち合える知識や経験が他とは異なっていたように感じます。中山間地や沿岸部など、似たような課題をお持ちの方も多く、そうした方々とリアルに交流し、未来志向の同志としてつながれたこと自体が貴重な財産になりました。行政区は異なっても、文化や思いは繋がっていることも多いので、今後も何かの折に連携が生まれることがある気もしています。視座を深めたり、可能性を広げるためにも、出会いと学びの場としてこの輪を活用いただけるといいなと思います。私もコツコツ続けていきます。

ご連絡はこちら

シマノタネ

http://shimanotane.jp/  shimanotane.amakusa@gmail.com